何も起こらなかった日こそ、ありがたい

介護

連れて行きたかったラーメン屋さん

今日は両親と息子の4人でランチに行ってきました。

本当は、少し前に息子と彼女さんと3人で行って、とてもおいしかったラーメン屋さんに連れて行ってあげたかったんです。

そのお店との出会いも、なかなか印象的でした。

ある日、息子と彼女さんと夕食をどうしようかと話していて、「ラーメンでも食べに行く?」ということになりました。

お店に着いたのはラストオーダーぎりぎりの夜9時頃。新しくできたお店だったので、勝手におしゃれなラーメン屋さんを想像していたのですが、出迎えてくれたのは優しそうなおじいさんとおばあさんでした。

正直に言うと、「あれ?思っていた感じと違うかも」と、息子と顔を見合わせてしまいました。今思うと、あの一瞬の自分の顔、見せたくないな、と思います。

ところが、出てきたラーメンを食べてびっくり。鶏の旨みと玉ねぎの甘みが合わさった、今まで食べたことのない味でした。魚介だしのような風味もあって、どこかかつおだしを思わせる優しいスープ。そこにバターのコクも加わっていて、一口食べると止まりません。

息子も彼女さんも大絶賛。しかもランチは1,100円で天ぷら一品付きというので、「今度は昼に来てみたいね」と話していたお店でした。

その日、一番印象に残ったのはラーメンだけではありません。私たちが食事を終えてレジに向かう頃、ラストオーダーぎりぎりに駆け込んできた男性3人組がいました。しばらくして運ばれてきたご飯を見て思わず二度見。昔話に出てくるような山盛りご飯だったのです。お茶碗の縁からさらに上へ、さらに上へ。まるで漫画に出てくるような大盛りご飯。

「えっ!?あれ一人分?」と、思わず笑ってしまいました。息子と顔を見合わせながら大笑いしたのを覚えています。


開店前だった。でも、それでよかった

そんな思い出があったので、今日は両親にも食べてもらいたかったのですが…。

私が開店時間を勘違いしていて、着いてみるとまだ開店前。待つのが苦手な父は、「今日はやめとこう」と即決でした。連れて行ってあげたかった気持ちが少しくすぶったけれど、父の顔を見たら、もうそれでいいかと思えました。

結局、近くの焼肉屋さんのランチへ行くことになりました。でも結果的には大正解。みんな満足して、お腹いっぱいになりました。

息子は大学があったので、ランチだけ一緒に食べて自宅へ送り届けました。


車の中で、私はただ前を向いていた

その後は母がデイサービスに着て行く服を買いたいということで、お店へ向かいました。

車で移動している途中、認知症の父が何度も母に聞きます。

「どこ行くの?」

母はそのたびに、「服を見に行くの」と答えるのですが、少しするとまた同じ質問。最初は普通に答えていた母も、何度目かには少しイライラした様子で声を荒げていました。

私はハンドルを握ったまま、何も言えませんでした。母を責める気にもなれないし、かといってフォローする言葉も見つからない。ただ前を向いて運転していました。

父は意地悪で聞いているわけではありません。聞いたことを忘れてしまうだけ。それは分かっているのですが、毎日のこととなると母も大変です。85歳の母も決して若くありません。認知症の夫と暮らす苦労を、改めて感じました。


85歳で、電話できる友達がいること

そんな中、母の携帯電話が鳴りました。

母は昔から電話好きです。「長くなりそうやし、出るのやめとこうかな」と言っていたのですが、「移動中やし出たら?」と私が言ったことで電話に出ることに。

ところが出たら最後。話がどんどん盛り上がり、なかなか終わりません。車の中は自然と静かになり、テレビの音も小さくして待機状態。正直なところ、「まだ終わらへんかな…」と少し思ってしまいました。

隣の父は窓の外をぼんやり眺めていました。何を考えているのかな、とふと思いました。

でも考えてみると、85歳になった今でも気軽に電話できる友達がいて、楽しそうに話せる相手がいるというのは幸せなことなのかもしれません。


「これいいわ」と服を選ぶ母の顔

お店では母が気に入った服を見つけて、とても嬉しそうでした。「これいいわ」と服を選ぶ姿は、年齢を感じさせないほど楽しそう。私にも服を買ってあげようかと言ってくれましたが、特に欲しいものがなく遠慮しました。

その後はカルディへ。両親はカルディにあまり来たことがありません。入り口で配っている無料コーヒーを受け取りながら店内を見て回りました。店員さんもとても優しく、母は珍しいお菓子や飴を見ながら楽しそうに買い物をしていました。結局、私や息子の分までお菓子を買ってくれました。


今日も、無事に帰ってこられた

帰る頃には、父は焼肉を食べたことをすっかり忘れていました。

母は足が悪く、歩くのもゆっくりです。認知症の父との外出は決して楽なことばかりではありません。それでも今日は転倒もなく、大きなトラブルもなく、みんなで出かけることができました。


チロンの寝顔に、肩の力が抜けた

家に帰ると、チロンが気持ちよさそうに眠っていました。

実は昨夜、チロンはなかなか寝てくれませんでした。何度も立ち上がろうとして落ち着かず、私も夜中の1時頃まで眠れませんでした。ところが今日は、安心したような顔でぐっすり。その寝顔を見ていると、不思議とこちらまで穏やかな気持ちになります。昨夜の疲れが、じわっと肩から抜けていく気がしました。


何もなかった日が、一番ありがたい

介護をしていると、どうしても大変だった日や困った出来事ばかりが記憶に残ります。

でも振り返ってみると、一緒にご飯を食べて、服を選んで、コーヒーを飲んで、無事に家へ帰って来られた。そんな何気ない一日こそ、本当はとてもありがたいのかもしれません。

今日はそんなことを感じた、穏やかな休日でした。🐩☕️✨


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