先日、お父さん(90歳)の足がパンパンにむくんでいました。
心配になって、夜7時半まで開いている循環器のクリニックへ。採血に心電図、しっかり診てもらいました。
後日、採血の結果を聞きに行くと——
「いつものクリニックで出している血圧のお薬と前立腺のお薬、これ、むくみやすくなる薬なんですよね」
言われてみれば、そうなのです。看護師の私も頭ではわかっていたけれど、自分の親のこととなると、なかなか気がつけないものです。
その場で数日分のお薬を処方してもらったところ、これが効いて。体重が約3キロ減り、むくみもだいぶ落ち着きました。
「またこういうことがあれば来てください」
先生の一言で、ひとまず一区切り。
ただ、受診を終えてから、私とお母さんの間でこんな話が出ました。
「あの先生、信頼できるよね」
今かかっているクリニックが悪いわけではありません。でも、どちらかというとあの循環器の先生に診てもらいたいな、という気持ちが正直あります。
でも——現実はそう簡単ではなくて
循環器のクリニックは昼間は診察がなく、夕方からの受診になります。そして待ち時間がそれなりにある。
これが、お父さんには難しいのです。
お父さんは待合室で待つのが苦手。予約の時間を過ぎると「まだかな、まだかな」と大きな声で言い始めてしまいます。周りの患者さんの目が気になって、こちらがひやひやする。「もう少しだよ」となだめても、数分後にはまた「まだかな」が始まる。認知症だから仕方ない、と分かっていても、毎回消耗します。
今のかかりつけクリニックは、予約時間になるとわりとすぐ案内してもらえます。それが、お父さんには合っている。
頭ではわかっているけど、「信頼できる先生に診てもらいたい」という気持ちも消えない。
来週の水曜日、8週間ぶりのかかりつけ受診日。午前はお父さんの国立病院、午後は3人一緒にクリニックへ。
どうしたもんだろう、と思いながら——とりあえず今は、目の前の受診をこなすしかないですね。
そして、その水曜日がやってきました
お母さんはもう「循環器の先生がいい」という話はすっかり忘れていて、いつもどおりの様子。予約制なので待ち時間もほとんどなく、スムーズに診てもらえました。
むくみのことを先生に伝えると、じっくり話を聞いてくれて。血圧のお薬については「ずっと飲んでますもんね」と、こちらの状況をちゃんと把握したうえで、足を上げて寝ること、着圧ストッキングの活用など、対処法を丁寧に教えてくれました。
あっさりしているわけではなく、親身な先生です。両親もすっかりいつもの受診モードで、「転院したい」という気持ちはもうどこかへ消えていました。
それでいいんだと思います。長年通っているかかりつけの先生には、薬の履歴も、父の性格も、家族の状況も、全部分かってもらっている。その安心感は、簡単には替えられない。
介護をしていると、「もっといい選択肢があるんじゃないか」と思うことがある。でも現実には、本人の状態や家族の負担、通いやすさなど、いろんな条件が絡んでくる。正解は一つじゃない。今の環境の中で、できる限りいい選択をしていくしかない。それが在宅介護の、正直なところだと思っています。
ただ——帰り道、私の心にはあの循環器の先生のことがまだ残っていました。
採血も心電図も取って、薬の影響をきちんと指摘してくれた。「またこういうことがあれば来てください」という一言。あの先生、本当にいい先生だったんだな、と改めて思いました。
何かあったときに、また頼れる場所がある。かかりつけの先生と、いざというときの循環器の先生。両方いてくれると思うと、それだけで、少し心強い気がしています。


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