「チュールも芋団子も見破られた——16歳老犬のお薬・目薬、2年かけてたどり着いたやり方」

🐾 老犬介護

チュールに混ぜても、トマトに包んでも見破られた1年以上の苦労。「直接入れる」ことで一気に解決。老犬のお薬・目薬の飲ませ方、看護師でもある飼い主が2年近く続けているやり方を紹介します。


「老犬にお薬を飲ませるのが大変」「目薬を嫌がる」という声をよく聞く。うちのちろんも同じだった。

ちろんは現在16歳のトイプードル。脊髄梗塞で後肢に麻痺が残り、毎日お薬と目薬が欠かせない。試行錯誤を重ねて2年近く、今はこのやり方で落ち着いている。同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しい。


お薬を飲ませるまでの長い道のり

チュールに混ぜてみた。見破られた。トマトに包んだ。ダメだった。芋団子まで試した(笑)。それでもいつの間にか気づかれて、薬だけ器用に吐き出される日々が1年以上続いた。

どうしてこんなに分かるんだろう、と何度思ったか。匂いなのか、食感なのか。16歳の老犬のくせに、そういうところだけ妙に鋭い(笑)。

そんな苦労が、「直接入れる」ことで一気に解決した。


お薬の飲ませ方

ポイントは「喉の奥に直接置くこと」。

ちろんの右側に座り、左手で体ごと抱え込む。口を開けたら、喉の奥にそっと置く。このとき思っているよりずっと奥まで入れるのがコツ。中途半端な位置だと舌の苦みを感じる部分に当たって「ぺっ」と吐き出してしまう。奥まで届けてあげれば、苦みを感じる間もなくゴクッといってくれる。

看護師として患者さんに内服介助をするときも、同じことを意識している。錠剤は舌の真ん中や前の方に置くと苦みを感じやすい。できるだけ奥へ、が基本だ。犬も人も、そこは変わらないのかもしれない。

最初は口を開けること自体に大暴れだったちろんも、1ヶ月ほど続けるうちに慣れてきた。噛むふりもしなくなった。今では口を開けるのをおとなしく待っていてくれる。それだけで毎朝ちょっと嬉しくなる。

薬を入れたあと、ゴクッとしてくれたらご褒美にりんごやきゅうり。それだけでいい。大げさなくらい「えらいね〜!」と褒めると、ますます得意げな顔をする。

面白いことに、以前は警戒していたトマトや芋団子も、今では普通に食べるようになった。「薬が入ってない」と分かったからだろうか。隠すのをやめたら、食べてくれるようになったというのが、なんだかおかしくて、でも少し胸が痛かった。


目薬の差し方

ポイントは「目薬を見せないこと」と「上からそっと落とすこと」。

まずちろんと向かい合わせになる。左手でそっと顔を固定して、右手はちろんの視界に入らないよう頭の後ろ側へ。

右手の親指と人差し指で目薬を持ち、小指側の手の側面でまぶたをぐいっと引き上げながら、上からぽとんと落とす。片手で「まぶたを開く」と「点眼する」を同時にやってしまうイメージ。目薬が見えないし、まぶたも開いているので、スッと入る。

目薬は「目に向かって近づいてくるもの」が見えると、反射的にまぶたを閉じてしまう。人間でも同じで、視界の外から点眼する方が入りやすい。ちろんで試行錯誤しながら、そんな当たり前のことに改めて気づいた。

目薬の後は、コストコのキッチンペーパーを少し湿らせて目の下をやさしく拭く。ティッシュだと嫌がるのに、このキッチンペーパーはタッチが柔らかいのか、ほとんど抵抗しない。地味だけど大事な発見だった。

目薬も最初は大変だった。顔を背けるし、まぶたをギュッと閉じるし。でも毎日続けることで、今はだいぶ落ち着いてきた。慣れてくれるまでの辛抱、というのはお薬も目薬も同じだと思う。


息子の一言

そのやり方を横で見ていた息子が言った。

「お母さんだって、大好きな食べ物に嫌なものを混ぜられたら嫌やん。好きなものは好きなものだけで食べさせてあげないと」

そうやな、と思った。ちろんにとってのりんごやきゅうりは、純粋においしいものであってほしい。薬を隠すための道具じゃなくて。

息子の一言で、なんだか気持ちがすっきりした。看護師のくせに、そんな当たり前のことに気づかせてもらった。


おわりに

正解かどうかは分からない。でも2年近く続けてきたうちのやり方。老犬のお薬問題、「隠す」より「直接届ける」の方がお互いにとってよかった。

毎朝のお薬と目薬が終わると、ちろんはいつもどこかほっとした顔をする。私もほっとする。その小さなやり取りが、今の私たちの朝の日課になっている。

同じように悩んでいる方の、何かヒントになれば嬉しい。

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