4〜5日前の夕方、母から電話がかかってきた。
「お父さんの足がぱんぱんに腫れてるの」
慌てて実家に向かった。夜の7時前だった。
見ると、両足首がぱんぱんに腫れていた。浮腫だ。看護師の目で見て、これはただ事じゃないと思った。
「今からクリニック行こう、まだ開いてるから」
そう言ったけど、父は首を縦に振らない。
「痛くないから大丈夫」
認知症の父にとって、痛みがなければ異常はない。それだけがすべてだ。しかも普段は7時には寝ている人が、「こんな時間から嫌だ」と言って布団から動こうとしない。
結局その日は説得を諦めた。「足を高くして寝てね」と言い残して帰った。
翌日、その翌日は少し落ち着いたと聞いてほっとした。
体重が2.5キロ増えていた
昨日の夜7時過ぎ、また母から電話がかかってきた。
私はちょうど仕事から帰ってきたばかりで、ちろんのごはんとおしっこの世話をしているところだった。
「また足が腫れてる」
よくよく話を聞くと、体重も2.5キロ増えているという。
足の浮腫だけなら様子を見ることもできる。でも、体重まで増えているとなると話が違う。心臓か、腎臓か。これはちゃんと診てもらわないといけない。
スマホで近くのクリニックを検索した。7時半まで診てくれるところに電話すると、「7時半までに来られたら大丈夫です」と言ってもらえた。
父を急かして車に乗せた。お薬手帳を探すのに時間がかかった。歩くのがゆっくりだった。それでも何とか、7時29分に滑り込んだ。
私はその間、ごはんを食べていなかった。
待合室で、私はイライラしていた
診察中、父と母は何度も「次かな、次かな」と大きな声で話していた。7時29分に滑り込んだのだから、一番最後なのは分かっているはずなのに。耳が遠い二人にとっては仕方がないことだと分かっていても、ちろんのことが頭から離れなくて、お腹も空いていて、私のイライラはどんどん膨らんでいった。
「大きな声出さないで」
思わず言ってしまった。
後から反省した。疲れていたとはいえ、言わなくてよかった一言だったかもしれない。でも、それが介護の現実でもある。
カメラの中で、ちろんがはあはあしていた
診察を待つ間、ペットカメラでちろんを確認した。
おむつをつける時間もなく出てきてしまったから、ずっと気になっていた。
画面の中のちろんは、トイレに行きたそうにもぞもぞしていた。立ち上がろうとするけど、立てない。はあはあと息をしている。
胸が痛かった。でも、父の診察が終わるまで動けない。
帰ったらうんこまみれだった
父の診察を終えて、急いで家に帰った。
ちろんは、うんこまみれになっていた。
「ごめんね、ちろん」
そのままお風呂に連れて行って、一緒に入った。
くたくただった。でも、ちろんがお風呂の中でぐったり私にもたれてくるのを感じながら、なんかもう、笑えてきた。
父も、ちろんも、私が必要としてくれている。それだけで、まあいいかって思えた。


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