以前、16歳の老犬が、ごはんを完食!歯が弱ったシニア犬の”ふやかしごはん”工夫集という記事を書きました。
トマトでふやかしたり、キャベツをチンしたり、しめじを焼いてみたり。あのときは「すりごま」をかけると、よく食べてくれていたんです。
……が。
やっぱり、飽きました。
1か月ほどはよく食べてくれたのですが、ある日ふっと鼻を近づけて、ぷいっ。あの、食べないときの「においだけ嗅いで、そのまま横を向く」やつです。飼い主にはおなじみの、あの背中。
そこからまた試行錯誤して、今のごはんにたどり着きました。
この1か月、1回も残していません。
朝も夜も、器を置いた瞬間に顔を突っ込んで、ぺろりと完食。舌でお皿をなめて、まだ何かないかと私の顔を見上げてくる。16歳の老犬が、です。
今日は、そのごはんの作り方を写真つきで残しておこうと思います。同じように「うちの子、ごはんを食べてくれなくて」と悩んでいる方の、ヒントになったらうれしいです。
まず、うちのチロンのこと
- トイプードルの女の子、16歳(人間でいうと80歳を超えています)
- 脊髄梗塞で後ろ足が不自由
- 歯が弱っていて、硬いものを噛みにくい・拾い上げにくい
- でも、食欲だけはずっとキープしてくれている
「食べてくれる」というのは、本当にありがたいことです。だからこそ、食べなくなったときの不安といったらありません。
たどり着いたのは、たった3つの材料
もったいぶるほどのものではないのですが、今のチロンのごはんはこれだけです。
- サラダチキン(鶏むね肉を低温調理したもの/味付けなし)
- いつものドッグフード 30g
- きゅうり(皮をむいて、細かく刻んだもの)
これを混ぜたものを、1日2回。
材料を見て「なんだ、普通じゃない」と思われるかもしれません。私もそう思いました。でも、うちの子にはこれが、びっくりするほどハマったんです。
サラダチキンは、まとめて作って冷凍しておく
毎回ゆでるのは大変なので、ヨーグルトメーカーでまとめて作って、冷凍しています。
- 鶏むね肉 1枚を、細長く3等分に切る
- ヨーグルトメーカーに入れて、65℃でじっくり加熱(うちは長めにしています。詳しくは後述)
- 出来上がったら、親指の先くらいの大きさに細かく分ける
- キッチンペーパーで水分をしっかり取る
- タッパーに入れて冷凍
味付けはいっさいしません。塩も、こしょうも、だしも入れません。犬にとって塩分は負担になりますし、そもそも何もつけなくても、鶏肉のにおいだけで大喜びしてくれます。
水分をキッチンペーパーで取っておくのが、地味だけど大事なポイントでした。水気があるまま冷凍すると、カチカチにくっついて、あとで取り出しにくいんです。
⚠️ 加熱の温度と時間について
私は心配性なので、65℃で12〜18時間ほどかけています。ただ、食品安全委員会などの情報によると、鶏肉は63℃で30分以上の加熱(中心部まで)ができていれば殺菌としては十分とされていて、実際のレシピでは「63〜65℃で1〜3時間」が一般的です。
大切なのは設定温度そのものより、お肉の中心部がその温度に達してから、一定時間キープすること。厚みのあるお肉ほど時間がかかります。生焼けはカンピロバクターなどの食中毒の原因になるので、中まで白くなっているか必ず確認してください。
また、作ったものは早めに冷やして、冷蔵なら2〜3日以内、冷凍でも1〜2週間を目安に使い切るようにしています。
あげるときは、レンジで2回チン
冷凍してあるので、あげるときはこんな手順です。
- 冷凍のサラダチキンを器に入れて、600Wで30秒チン
- そこにドッグフードを30g入れる
- お水を大さじ1杯ほど回しかける
- もう一度、600Wで10秒チン

写真では31gになっていますが、そこはご愛嬌ということで。毎回きっちり計るようにしてから、あげすぎ・あげなさすぎがなくなりました。


前の記事では「カリカリをしっかりふやかす」と書いていたのですが、今はこの大さじ1杯+10秒くらいの、”ちょっとだけしっとり”が一番食いつきがいいです。
完全にふやけてドロドロになると、なぜか食べません。かといってカリカリのままだと、噛みにくくて残してしまう。表面だけやわらかくて、中に少し歯ごたえが残っている状態。これがうちの子の好みだったようです。
そして、ほんのり温かい。これも大きいと思っています。冷たいごはんより、湯気が立つくらいのほうが、においが立つんですよね。
きゅうりは、皮をむいて細かく
最後に、きゅうりを乗せます。
- 皮をむく
- 生のまま、細かく刻む
- 量は3〜4cm分くらい

皮をむくのは、犬にとって皮が消化しにくいからです。若い子なら皮つきでも大丈夫ですが、16歳の老犬にはできるだけ負担を減らしたくて、面倒でもむいています。
きゅうりは95%が水分。夏場の水分補給にもなりますし、カロリーもほとんどありません。太らせたくない老犬にはありがたい食材です。

混ぜると、こんな感じ。彩りもきれいで、なんだかちょっとおいしそうに見えませんか。

なぜ、これが良かったんだろう
1か月続いているので、私なりに理由を考えてみました。
1. においが立つ
鶏肉のにおい+温かさ。鼻が利かなくなってきた老犬にとって、においは食欲のスイッチだと思います。
2. 大きさがちょうどいい
親指の先くらいの塊を2個ほどを解凍してほぐした鶏肉は、歯が弱くても噛める。細かく刻んだきゅうりも、そのまま飲み込める大きさです。拾い上げやすいというのも、口の力が落ちた子には大事でした。
3. 食感に変化がある
やわらかい鶏肉、ちょっと歯ごたえのあるカリカリ、しゃきっとしたきゅうり。一皿の中に3つの食感がある。飽きないのは、これかもしれません。
4. 水分がとれる
きゅうりとお水で、自然に水分がとれる。あまり水を飲まなくなってきた子にも、ひそかにうれしいポイントです。
すりごまが飽きられたのは、たぶん「味を足しただけ」だったから。今回のは食感と温度とにおいが全部変わったので、チロンにとっては別のごはんに見えているんじゃないかな、と思っています。
気をつけていること
楽しく続けるために、いくつか自分ルールを決めています。
⚠️ 味付けはしない
塩・こしょう・だし・油、いっさい使いません。人間用のサラダチキンは塩分が高いので、犬用には必ず無塩で自作してください。
⚠️ 玉ねぎ・ねぎ類は絶対に入れない
ねぎ類は犬にとって中毒を起こす危険な食材です。同じまな板を使うときも気をつけています。
⚠️ トッピングは全体の1〜2割まで
ドッグフード(総合栄養食)が主役です。トッピングを増やしすぎると栄養バランスが崩れるので、1日の食事量の1〜2割以内が目安とされています。うちも「フード30gに対して、少しの鶏肉ときゅうり」の比率を守っています。
⚠️ きゅうりも、あげすぎない
水分が多いので、たくさん食べるとおなかがゆるくなることがあります。老犬なら1日1/4本程度が目安といわれています。うちは1回3〜4cm分にしています。
⚠️ 持病のある子は、かかりつけの先生に相談を
腎臓や心臓に持病がある子、療法食を食べている子は、トッピングの内容で数値が変わることがあります。自己判断せず、必ず獣医さんに確認してください。
正直に書くと、私もまだ先生には相談できていません。うちのチロンは今のところ食事制限のない子なので続けていますが、次の受診のときにきちんと聞いてみるつもりです。看護師をしていても、犬のことは素人ですから。
1か月、毎日ぺろり


この顔が見たくて、毎日作っています。
そして食べ終わったら、そのままお器を取り替えお水へ。うちは同じ器を2つ使っていて、ひとつはごはん用、もうひとつはお水用です。

よく見ると、お水の中にきゅうりのかけらがひとつ浮かんでいます。口のまわりについていたのが落ちたんでしょうね。完食の証拠みたいで、写真を見返してひとりで笑ってしまいました。
ごはんのあとにちゃんとお水を飲んでくれるのも、うれしいところです。年をとると自分から水を飲む量が減っていくので、「食べたあとに飲む」という流れができているのは、けっこうありがたい。
16歳。後ろ足はもう思うように動かなくて、寝ている時間もずいぶん増えました。それでも、ごはんの時間になると、においに気づいて顔を上げる。器を置くと、頑張って体を起こし食べてくれます。最後の方は私がご飯を寄せて食べやすいように助けてあげます。
食べてくれるって、それだけで安心なんです。
老犬と暮らしていると、「今日食べた」「昨日より食べた」が、そのまま元気のバロメーターになります。だから、食べない日が続くと本当に落ち込むし、完食してくれた日は、こっちまで元気になる。
きっとこのごはんも、いつかまた飽きられる日が来ると思います。ごまがそうだったように。
そのときはまた、次のを探せばいい。1か月食べてくれたなら、それで上出来です。
同じように悩んでいる方がいたら、よかったら試してみてください。うちの子に合ったものが、おたくの子にも合うとは限らないけれど、選択肢がひとつ増えるだけで、少し気が楽になると思うので。


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