介護をしていると、家族との「温度差」に静かに消耗することって、ありませんか。
私は今、じわじわとそれを感じている。
きっかけは、IHへの買い替え話だった
認知症の父が、ガスコンロをつけっぱなしにすることが増えてきた。
そろそろIHに替えた方がいい、という話が家族の間で出てきた。
私はさっそく調べ始めた。価格.comでスペックを比較して、レビューを読んで、工事費込みでどこが一番コスパがいいか。仕事の合間に少しずつ、時間をかけて。
一方、兄は——店舗に行った。しかも、認知症の父を連れて。
父は「ガスが使えるのに、なんでこんなん見に来たんや」と言い出した。
……そりゃそうやと思う。
母には母の不安があった
母はずっと、ひとつのことが心配だったらしい。
「高齢の自分に、IHが使いこなせるか」。
その気持ちはわかる。慣れ親しんだガスをやめて、見慣れない機械に替える。怖いよな、と素直に思う。
だからこそ私は、そういう視点で選ぼうとしていた。操作がシンプルなもの、サポートが充実しているもの、高齢者が使いやすいと評判のもの。
後から兄に聞いたら、母が「ポイント稼ぎのためにネットで買いたがってる」と言っていたらしかった。兄も否定しなかった。それが答えやと思った。
どっと、疲れが出た。
母が感謝していないわけじゃない
母は機嫌のいい日に「本当によくしてもらって」と言ってくれる。その言葉は、本物だと思っている。
ただ、私が決めてしまうことへの抵抗が、どこかにあるみたい。
そこに兄が母寄りの意見を添えるから、余計にやりにくくなる。
一番しんどいのは、直接話せないこと
困るのは、兄と私がほとんど直接話さないことだ。
意見のやり取りは、いつも母を介して行われる。兄が思っていることは母経由で伝わってくるし、私が言いたいことも同じルートを通る。
直接話してほしい。そう思うのに、なぜかそうならない。
そして、その間で母がしんどくなっていないか——それも気になってしまう。
「思いが伝わってないんやな」
実家のWi-Fiは私が払っている。防犯カメラもつけた。父の様子をスマホで確認できるように。
目に見えない部分でやっていることは、けっこうある。
息子にこの話をしたら、「お母さんの思いが伝わってないんやな」と言われた。
そうかもしれない。
でも、伝わらないまま動き続けるのって、やっぱりしんどい。
「もう好きにして」と思いながら、それでも気になって口を出してしまう。
これが、離れて介護に関わるということ
たぶんこれが、離れて暮らしながら親の介護に関わるということなのだと思う。
正解がわからないまま調べて、動いて、すれ違って、疲れる。
それでも気になるから、やめられない。
疲れた日は、ただそれを誰かに聞いてもらいたくて、こうして書いている。
同じように感じている方が、どこかにいたら——少し気持ちが楽になってくれたらいいな、と思いながら。
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