先日、朝の電話で母からいろんな話を聞いて、なんだか頭がいっぱいになった日のことを書きます。
介護をしていると、こういう「情報が一気に押し寄せる日」が、ときどきやってくるのです。
デイサービスでアラームが鳴った
父と母はデイサービスの日でした。
出発前、母はいつものように父のポケットをチェック。
タバコは持っていない。確認OK。
そのまま送り出したのですが、デイサービスでスタッフさんの目が離れた隙に、父が喫煙所へ行き、タバコを吸おうとしたらしいのです。
どこからか調達したのか、それとも隠し持っていたのか……。
父のタバコへの執着は相当なもので、毎回こちらの予想を超えてきます。
そのときアラームが鳴り、大騒ぎになったそうです。
父はその場でかなり強く叱られたようでした。
「あんな言い方せんでもよかった」
帰宅後の父は怒っていました。
認知症の父ですが、こういうことは不思議と記憶に残るようで、
「あんな言い方せんでもよかった」
と何度も言っていたそうです。
そして、
「次のデイサービスは休む」
と言い出したとのこと。
母もため息をついて、
「行きにくいわ」
とこぼしていました。
せっかく二人で楽しみに通えるようになった場所だっただけに、その言葉が私にも刺さりました。
さらにケアマネさんの印鑑騒動
その日の夕方には、ケアマネージャーさんが来られたそうです。
「急いでるので、ここに印鑑をお願いします」
と言われ、母は言われるままに印鑑を押したとのこと。
そして翌朝、いつもの「行ってきます」の電話で、その話も聞きました。
母は少し不安そうな声で、
「あれ、何の書類やったんやろ」
と言います。
ちょうど前日にデイサービスで父の喫煙騒動があったばかり。
そのため母は、
「もしかしたら昨日のことで何か誓約書みたいなんを書かされたんやろか」
と思っていたようでした。
私は思わず、
「なんで中身も読まずに押したの!」
と言いたくなりましたが、そこはぐっとこらえて、
「昼休みにケアマネさんにLINEして確認するね」
と伝えました。
高齢になると、分からないまま書類にサインや押印を求められること自体が不安になるのだと思います。
ところが夕方、LINEを送る前に母へ電話してみると、
「あれな、前に変更し忘れてた書類やったわ。もう分かったから大丈夫」
と、すっかり機嫌が直っていました。
……LINEしなくてよかった。
先回りして動く前に、まず一呼吸おいて確認する。
介護では、この“間”が案外大事なのかもしれません。
母が気にしていたもう一つのこと
母が気にしていたのは、帰りの見守りについてでした。
その日は会議か何かがあったのか、普段より職員さんの姿が少なかったそうです。
いつもは見守りがあるのに、その日は母が転びそうになったとのことでした。
幸い転倒には至りませんでしたが、母は少し不安だったようです。
父のアラーム騒ぎがあった日だったので、
「そのことで何か会議でもしてたんやろか」
と母は気にしていました。
ただ、それが本当に関係していたのかどうかは分かりません。
あくまでも母の推測です。
看護師として思ったこと
今回のことは、すべて母から聞いた話です。
そのため、デイサービスの対応を一方的に決めつけることはできません。
スタッフさんたちもアラームが鳴って焦ったでしょうし、大変だったと思います。
喫煙は火災にもつながりますから、強く止める必要があったことも理解できます。
でも、父があそこまで怒るということは、相当きつい言い方をされたのかな、とも感じました。
認知症の方は、出来事そのものは忘れても、「怖かった」「嫌だった」「悲しかった」という感情が残ることがあります。
だから強く叱られた記憶が、
「もう行きたくない」
という気持ちにつながってしまうこともあります。
危ないことをやめてもらう必要はあります。
でも、頭ごなしに叱るのではなく、まず気持ちを受け止めてから伝える。
声かけの仕方ひとつで、本人の気持ちも、その後のケアのしやすさも大きく変わると思います。
また、見送りについては、みんなで並んでする必要はないと思っています。
でも転倒リスクのある方の帰りの見守りはまた別の話です。
そこは少し気になりました。
もちろん、その日の状況や事情もあると思います。
だからこそ感情的にならず、近いうちに穏やかに話を聞いてみようと思っています。
それでも、これが認知症の家族と生きるということ
母の「行きにくいわ」という言葉から始まり、印鑑騒動があって、転倒しそうになった話も聞いて、朝から頭の中は大渋滞でした。
一難去って、また一難。
でもよく考えたら、これが認知症の家族と生きる日常なのかもしれません。
平穏な日があったと思ったら、また何かが起きる。
その一つひとつに全力で反応していたら、こちらの身が持ちません。
だから、ある程度は「またか」と受け流すしなやかさも、長く介護を続けるためには必要なのだと思います。
お母さん、いつもお疲れさま。
私も遠くから、できることをしていこうと思います。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
同じように介護をしている方に、少しでも届いたら嬉しいです。

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